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学生インタビュー「あなたは何が好きですか?」【後編】

多くのCGやマルチメディア分野の関係者たちが競い合う論文コンテスト「NICOGRAPH2022」で「デモ賞」を受賞した兼松さん。「情報学部の魅力は、専門に捉われず、自分が興味のあることを研究できる点」だと語る彼女は、大好きな建築分野を学ぶため、建築学部の研究室にも参加されているそうです。そんな兼松さんに引き続きお話を伺いました。

【前編】はこちら

Interviewee Profile
【名前】兼松 美羽(Miu Kanematsu)
【出身地】静岡県
【学部学科】情報学部情報学科(4年生)
【出身校】富士東高等学校
【趣味】絵を描くこと、バレーボール

専門に捉われず、学部を越えた学修の道へ

広報:情報学部に在籍しながら、建築学部の研究室にも参加されているのですか?

兼松さん:はい。建築学部・齊藤哲也先生の研究室に参加しています。齊藤研究室へ参加したのは、3年生の終わりごろ。きっかけは、自身が師事する尼岡先生に誘っていただき、1学年上の建築学部生の「卒業設計展」を見学に行ったことです。先生同士はもともと仲が良く、見学先で齊藤先生を紹介していただきました。

見学後、尼岡先生から「建築学部の制作現場に参加して、建築学の素養を培ってみてはどうだろうか」と提案が。私自身も卒業研究に建築の要素を取り入れたいと思っていたため、建築学の背景知識の習得は必須だと考えました。

後日、齊藤先生へ相談した結果、快く受け入れていただき、齊藤研究室で勉強させていただけることに。途中加入ということもあり、まわりと馴染めるか不安でしたが、ある日の齊藤研究室で自分たちが制作する作品についてディスカッションする機会があり、私にも質問が寄せられました。情報学部の私から見た意見や感想に興味があったようです。そんなこともあり、メンバーたちとはすぐに打ち解け、今では研究室にいる時間がとても楽しいです。

また、齊藤研究室は学会などのコンペにもよく出場しますが、自身もアイデア出しに参加させていただくことがあります。発表資料には自身の名前も書き加えていただけたりと、勉強させてもらう身でありながら、研究室活動の一部に携われることが何よりも嬉しいです。

卒業設計展の作品を眺める兼松さん(写真中央)と齋藤研究室の学生たち

建築学の視点から考える
「足し算と引き算」の大切さ

広報:なるほど。齊藤研究室での日々は、兼松さんにとって新しいことの連続だったかと思いますが、実際に建築学を学んだことで、ご自身の研究に活かせたことはありますか?

兼松さん:建築学の視点が身についたことですね。モノづくりにおいて、高度なプログラミング知識を習得し、最新の技術を扱えることも大切だと思いますが、齋藤研究室で勉強していく中で、足し引きの観点を持つことが重要だと考えるようになりました。

広報:「足し引き」ですか?

兼松さん:そうです。例えば、私が好きな建築の在り方の一つに、ジブリ映画で表現されるような情報技術を介さない自然に囲まれた暮らしがあります。少し不便さが残るものもありますが、最近は便利さを優先することで、何でもかんでも機械化・自動化を進めた結果、無機質な建物や室内空間が多くなったなあと感じています。

たしかに、かっこいいし便利ではありますが、昔ながらの不便さにも良さがあると私は思っています。どれもこれも自動化や効率化を図って設計されているので、きっと私がそこで生活したときに「あれ、思っていたより落ち着かない。なんか無機質すぎる。」って感じると思うんです(笑)

私が好きだと感じる上記のような建築や空間は今後も減っていくのかなって思うと少し悲しいです。ですが、発展していく世の中でそのような変化は絶対必要で、当たり前の変化だと思います。

だからこそ、あれもこれも最新のものにしていこうとなった時に、機能的には新しいけどここの良さは残す。みたいな、大事な所だけ情報学の力が加わることでその人が必要なものだけ備わった快適な空間を作り上げることができると思いました。開発や作品を作る時には、このような足し算と引き算を考えるようになりました。

これは自分の好きなものを守るための研究とも言えますかね(笑)
もちろん、社会をより便利にするために研究している人もたくさんいて素敵なことだと思っていますが、私みたいに今ある好きなものを大切にする研究があっても良いのではって考えています。刺さる人には刺さるみたいな…。

好きなことに向き合うと勉強はもっと楽しくなる

広報:兼松さんはもうすぐご卒業される予定ですが、明星大学での生活を振り返ってみていかがでしたか?

兼松さん:私、もともと勉強が好きじゃなかったんです。

広報:これはまた、唐突ですね(笑)

兼松さん:はい。(笑)ですが大学入学後、初めて勉強が楽しいと感じるようになりました。

広報:どうして勉強が楽しいと感じるようになったのでしょうか?

兼松さん:高校までの勉強と違って、大学では自分の好きなこと、興味のあることを学べる機会がたくさんあります。自分の「好き」をとことん深堀りできるんです。

情報学部への進学には、必ずしも入学前からプログラミングの知識や強い興味を持っている必要はないと思います。かくいう私も、タイピングゲームが好きだっただけで、入学当初はプログラミングが全くできませんでした。

楽しく勉強していくために大切なことは、自分は何に興味があるのか、自分はそれをどう発展させたいのかを考えることです。自分自身と向き合ってみると、自分のやりたいことが見えてきます。今度はそれをどのように発展させたいのかを考えることが大事です。

たとえそれが、直接情報学部に関係する内容じゃなくても諦めないでください。明星大学は、ワンキャンパスに9学部もの学部が集まっていますし、情報学部では、他学部と連携した活動もあります。

★授業紹介★
明星大学情報学部では、人文学部国際コミュニケーション学科と協働して、八王子市内の飲食店経営者へ向けたPR用アプリ開発に取り組んでいます。過去には、チームごとにAR(拡張現実)やVR(仮想現実)、プロジェクションマッピングなどを活用したマーケティング戦略の提案に挑戦しました。
【参考】https://www.meisei-u.ac.jp/2022/2022021401.html

私も2年生の頃までは、建築分野の学習を諦めて、プログラミングの習得だけを頑張ろうと思っていました。ところがある日、音楽が好きな同じ学部の友達が、大学の授業で音楽の知識を身につけながら、「音」を扱うプログラミングを勉強していることを知りました。彼は自分が音楽好きであることを早くから自覚しており、音楽をもっと楽しむためにはどんな知識が必要かを考え、日々の授業に取り組んでいたのです。

彼の話を耳にして、私も自分自身で可能性を諦めずに早くから行動していれば、大学での勉強をもっと楽しむことができたなと思う時があります。だからこそ、情報学部への進学を考えている人や、すでに情報学部で学んでいる人たちには、一見すると情報学部に関係の無い分野であっても、好きな気持ちを持ち続けてほしいです。

明星大学情報学部には、あなたの好きを追求できる環境があります。「プログラミングしなきゃ」と受け身な考え方ではなく、「自分の好きなことを実現するためにプログラミングを活用しよう」という気持ちになれます。そう思えると日々の授業がどんどん楽しくなります。

みなさんのお好きなことは何ですか?
少しずつで構いません。ぜひご自身の気持ちと向き合ってみてください。

◆明星大学情報学部について◆
明星大学情報学部は、2023年より4つの履修モデルを新たにスタートします。
 ①AI&マルチメディア
 ②コンピュータ・サイエンス
 ③データサイエンス
 ④フィジカルコンピューティング
履修モデルやカリキュラムの詳細は、明星大学情報学部オリジナルサイトをご覧ください。
【明星大学情報学部オリジナルサイト】https://www.is.meisei-u.ac.jp/