明星学苑100周年記念列車「MEISEI 100」~ANOTHER STORY~
明星学苑100周年記念列車「MEISEI 100」(以下、「MEISEI 100」)にはご乗車いただけましたでしょうか?
幼稚園から大学までを有した総合学園である明星学苑(東京都)は、2023年に創立100周年を迎えました。
周年を記念して、2023年8月3日(木)から8月30日(水)までの期間(※)、「新たな時代の風を感じよう」をコンセプトに多摩モノレールに車体ラッピングと車内装飾を施した「MEISEI 100」を運行しています。
地域の皆様へ、これまでの100年の感謝、そしてこれからの100年も共に歩むというメッセージを込めました。
こちらの記事では、明星学苑公式ウェブサイトではお伝えしきれない「MEISEI 100」へのこだわりをご紹介したいと思います。 (一部施工途中の写真を使用しています。)
また、明星学苑公式ウェブサイトでは、「MEISEI 100」の概要や見どころをご紹介しています。そちらもあわせてご覧いただけますと幸いです。
※ 「MEISEI 100」は、8月23日(水)、26日(土)、29日(火)は運行いたしませんので、あらかじめご了承ください 。
明星学苑を創り上げてきた全ての人、そして多摩地域の皆様へ、感謝を込めて運行します
「なぜ多摩モノレールなのか?」
明星学苑は1923年に「明星実務学校」として多摩の地に誕生し、2023年に創立100周年を迎えました。「MEISEI 100」は、明星学苑をこれまで創り上げてきたすべての人はもちろんのこと、多摩地域の皆様へ感謝の意を込めて、より多くの地域の皆様にご覧いただきたいという思いから、多摩地域を南北に縦断し、地域を代表する交通機関の一つである多摩モノレールにて運行することになりました。
また、明星学苑を設置母体とする明星大学は、多摩モノレール沿線の「中央大学・明星大学駅」直結の立地にあり、明星学苑にとって大変縁のある路線でもあります。
多摩モノレールは全16編成で、そのうち1編成を「MEISEI 100」として運行しますので、高い確率(1/16)でご乗車いただける可能性があります。
また、多摩モノレール沿線には、「多摩動物公園」「国営昭和記念公園」「TACHIHI BEACH」など多くのレジャー施設がありますので、レジャーを楽しみながら「MEISEI 100」が走行する姿をご覧いただける機会があるかもしれません。
次の100年で生まれる無限の可能性を表現
「車体のカラフルなデザインのコンセプトは?」
創立100周年を迎えたことを記念して、これまでの歩みと次の100年へのビジョンを学内外に示すために定めた周年ビジュアルが、今回の「MEISEI 100」のデザインのもとになっています。この周年ビジュアルは、「MEISEI 100」の企画やアートディレクションを行う保田 卓也氏(凸版印刷株式会社所属)が手がけました。
周年ビジュアルのコンセプトは「歴史の先にある、変革」。
保田氏は周年ビジュアルのデザインで最も重要かつ難しかった点として、「歴史と未来をどう捉えて可視化するか」と話します。明星学苑コミュニケーションマークがもとになった左側のスクールカラー(Meisei Red)の三本線から、右側のたくさんの色に分色するデザインは、歴史を見つめて多様な解釈をした先に、様々な可能性が生まれるイメージから発想されました。明星らしさを象徴するMeisei Redを使いながら、次の100年で生まれる無限の可能性が同時に表現されています。
スクールカラーの三本線から分色するたくさんの色は、全てスクールカラーのMeisei Redから生まれる色をイメージして配色されています。下図のように二つの円が交差する部分はどれも同じMeisei Redですが、これだけたくさんの色の組み合わせがあります。
歴史を大切にしつつも、それをただ不変なものとしてではなく、変化への可能性を秘めたものとして捉え直す、そのような歴史観が表現されています。保田氏は周年ビジュアルを通じて、「明星であり、まだ明星でないもの」を分色という方法で表しています。
夏ならではの体験を通じてこの先の人生を謳歌しようと思ってもらえるキッカケに
「なぜ風鈴が車内に飾られているのか?」
車内には合計128個のカラフルな紙風鈴が飾られています。「MEISEI 100」のコンセプトは、「新たな時代の風を感じよう」。先ほどご紹介した周年ビジュアルを「風」を感じる風鈴に展開しました。大学ではオープンキャンパスが開かれるなど、将来について考えることも多い夏の季節に、モノレールに乗り合わせた人が「風」を感じる風鈴をきっかけに、自分の未来や新たな挑戦への決意など、これからの人生について考えるきっかけになればと企画しました。
「MEISEI 100」に乗車することができなかった方も、9月6日(水)までは多摩モノレールの各車両に紙風鈴が登場しますので、ご乗車された際はぜひ車内を探してみてください。
様々な人のアイデアと技術によって形となった「紙風鈴」
「紙風鈴はどのようにできているのか?」
車内に飾られた紙風鈴は、「MEISEI 100」のためにデザインされたオリジナル風鈴で、1枚の紙から組み立てられています。また、折り方によって1種類の紙から2色の紙風鈴が組み立てられる仕組みになっています。例えば、下の組み立て前の紙風鈴の写真の一番左側の紙からは、組み立て後の紙風鈴の写真のとおり黄色とオレンジ2色の紙風鈴を組み立てることができます。組み立て前の紙は4種類ですが、全部で8色の紙風鈴を組み立てることができます。
この紙風鈴は、企画・構造設計・製作と様々な人が携わり、そのアイデアと技術により形となりました。
企画:保田 卓也、亀井 光則(凸版印刷株式会社所属)
アートディレクション:保田 卓也(凸版印刷株式会社所属)
構造設計:紙の構造デザイン 工藤 陽介
製作:福永紙工株式会社(東京都立川市)
車内に飾り付けられているカラフルな紙風鈴ですが、周年ビジュアルと同様に全てスクールカラーのMeisei Redから生まれる色をイメージして配色されています。先ほど出てきた「分色のイメージ」の図のように、風鈴の本体となる外見と短冊に使われている色を掛け合わせると明星学苑のスクールカラーであるMeisei Redになるイメージで配色されています。(上の写真の左側の紙風鈴で例えると、外見のオレンジと短冊の淡いグリーンを掛け合わせるとMeisei Redになるイメージです。)
保田氏は紙風鈴を制作するにあたり、「新しい試みだったので、正解が事前的には誰も分からなかったのが、難しくも面白い点でした。実現したい風景やクリアすべき条件を明確にしながら、自分たちで考え、試し、アイデアを練っていく必要がありました。モノレールにある広告として、周年企画の一環として、紙の構造体として……様々な視点からアイデアを出しあって実現までこぎつけることができました」と話します。
多摩の地で誕生した明星学苑が100周年を迎え、地域の皆さまに感謝と共創のメッセージを伝えたく「新たな時代の風を感じよう」をコンセプトに、「MEISEI 100」は運行しています。一人でも多くの方にご覧いただき、この先の人生を謳歌しよう・楽しもうと思ってもらえるきっかけになればと企画しました。沿線にお越しの際は、ぜひご乗車ください。