学長が聞く、学長に聞く―第2回―明星大学には、学びながら学内で働く人がいる(前編)
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学長が聞く、学長に聞く―第2回―明星大学には、学びながら学内で働く人がいる(前編)

井上恵里(教育学科卒業生/公益財団法人 社会教育協会 日野社会教育センター勤務)×
草野雅(経済学部 経済学科)×
落合一泰(学長)

どの大学にも、学生の学ぶ意欲を支える奨学金制度が数多くあります。みなさんは、どんな奨学金が思い浮かびますか?明星大学には、全国的にも珍しい「勤労奨学金」という制度があります。毎年おおよそ150名の学生が勤労奨学生として採用され、授業等の合間に年間240時間、学内のさまざまな部署で働き、奨学金を受給しています。今回は、卒業生と在学生の経験者二人に学長が話を聞きました。大学で学び、働く中で得たものとは、一体どんなものでしょうか。

【明星大学勤労奨学金(給付型)】
学生に有効な経済支援を行うために、本学の教育理念である「体験教育」や「実践躬行」を具現化した、学内の実務を伴う給付型の奨学金制度です。

学内のさまざまな場所で活躍する勤労奨学生

落合学長 今回のテーマは「勤労奨学生」です。ぜひ経験者にお話を伺いたいと思い、卒業生の井上さんと在学生の草野さんにお越しいただきました。まずは、井上さん。現在はどんなお仕事をされていますか?

井上さん 私は、公益財団法人 社会教育協会で野外活動指導者として働いています。主に子どもたちを自然体験に連れていく仕事です。大学在籍中は、通信教育事務室で勤労奨学生として働いていました。

落合学長 たしか教育学部の小学校教員コースに在籍されていましたよね?

井上さん はい。小学校教員にも採用されていたのですが、ひとつのことを継続的に教えられる社会教育に興味を持ち今の仕事に就きました。

落合学長 なるほど。続いて、草野さん。自己紹介をお願いします。

草野さん 私は経済学部の4年生で、アドミッションセンターで勤労奨学生として働いています。受験を検討している高校生や保護者が来校された時の応接、オープンキャンパスや入試のお手伝いなどをしています。

落合学長 お二人はどのようにして、勤労奨学生になられたのですか?

井上さん キャンパス内の仕事で奨学金が得られるのが魅力でした。事前に仕事内容が記された資料をいただいて、気になる部署を見学しました。

草野さん 私も同じです。応募するとき、希望の部署と、どんな仕事をしたいかなど志望理由を書いて提出しました。

落合学長 本人のやる気が重視されているのですね。

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▲子どもたちの自然体験(シャワークライミング)/井上さん 
提供:ひの社会教育センター

就職前からしっかり身につけた「準備力」

落合学長 井上さんは、現在のお仕事で勤労奨学生としての経験は役に立っていますか?

井上さん はい。「準備の大切さ」を学べたことが役に立っていると思います。自然体験の参加者を集めて説明会を開く時も、情報入力や資料作成など、長い準備期間を要します。その過程を経験していたおかげで、スムーズに職場での実践に入ることができました。

落合学長 通信教育事務室では、スクーリングに関わる仕事もあったと思いますが、そちらはどうでしたか?

井上さん スクーリングの準備と現在携わっている安全講習の準備は全く同じで、経験がそのまま役立っています。講師のサポートや受講者の動線を考慮した席の配置など、通信教育事務室の職員の皆さんが私たちにも考えさせてくださったことが活きています。

落合学長 まさに学内でインターンシップをやっていたような感じですね。

【明星大学の通信教育課程】
明星大学には通学課程のほか、教育学部教育学科通信教育課程があります。1967年の開設で、すでに50年を超える歴史があります。現在、約7,200名の学生が在籍し、多くの方が働きながら学んでいます。幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校を含む5校種18種類の免許状、4つの資格が取得可能です。持っている資格をさらに広げようと入学する現職教員の皆さんもいます。

学内イベントで発揮される驚きの「統率力」

落合学長 草野さんは、オープンキャンパスや入試の運営にも関わっているそうですね。見ていると非常に統率がとれているのですが、何か秘訣はあるのですか?

草野さん 2019年度のオープンキャンパスでは、1日に約3,000人の来校者がありました。そんな状況で円滑にイベントを行うためには、指令を伝達する仕組みが必要です。私は学生スタッフ200人の統括を担当しましたが、各ポジションから報告が上がってくるよう、打ち合わせや予行演習をみっちり重ねました。

落合学長 草野さんは、全体を立体的に見る役目を担っていたのですね。

草野さん はい、そうです。スタッフとして参加する学生がリーダーへの報告を徹底してくれたおかげで、円滑に取り組めました。特に入試のときは自己判断で動けないので、決まり事を理解して守る、ということを各自が心がけていました。

落合学長 たしかに入試のオペレーションは失敗できませんからね。大学には保護者の方も来場されますよね?

草野さん はい。合格者向け見学会などには多くの方が来校されます。入学を決めるにあたって、「明星大学の学生はどんな感じだろう?」と見られていると感じるので緊張感をもって接しています。

落合学長 本学の代表としての立場も担っているのですね。単なるアルバイトとしてではなく、しっかり責任を持って働いていることがよくわかりました。

草野見学会1

▲合格者向け見学会のひとこま。合格者と保護者の方に向けて自らの大学生活をプレゼンテーションしています。/草野さん

培われた、相手の気持ちに寄り添う「共感力」

落合学長 井上さん、勤労奨学生として働く中で、難しく感じたことや面白いと感じたことはありますか?

井上さん 難しかったのは、はじめて大学でスクーリングを受講される通信教育の学生の皆さんへの配慮です。みなさん休憩時間も惜しんで勉強されているので、学内のコンビニが開いている時間など、正確な情報をお伝えするように心がけました。面白いと感じたのは、社会経験が豊富な年上の方と教職に関するお話ができたことです。現職教員として働きながら通信教育を受講される方が、どのように職業人生のビジョンを描いているのかを伺う貴重な体験ができました。

落合学長 草野さんは、何か身についたことがありますか?

草野さん 「相手の反応を見ながら対応する」ということは、鍛えられました。例を挙げると、私は地方出身なのですが、同じような立場の受験希望者には上京後の話をしてみて、反応が良ければ掘り下げて話をしてみるなど気を配りました。

落合学長 相手の気持ちになって考えることは、とても大事ですよね。クラブ・サークルやアルバイトとの両立はどうされていましたか?

井上さん 私は教育研究部という部活動と、塾のアルバイトをしていました。通信教育事務室の方に勤務時間を調整していただけたおかげで、両立する上で困ったことはありませんでした。

草野さん 大学ではしっかり勉強したいという強い思いがあったので、クラブ・サークルなどには参加していませんでした。私は勤労奨学金制度を、大学に来るための習慣づけとして意図的に活用していました。例えば夏休みは自由にシフトを入れられたので、暑くて勉強する気にならないときも、「せっかく勤労に行くし、空いている時間に図書館で勉強しよう」と考えていました。

落合学長 なるほど、それはいい活用の仕方ですね。

後編へ続きます

<参考>2019年度勤労奨学生採用選考内容
【一次選考】
・グループワーク
・集団面接(志願学生の人となりや、勤労奨学金制度への理解度等を問う内容)
【二次選考】
・個人面接(計画力や主体性など、さらに志願学生の人間性を深掘りする内容)

この記事は、2020年12月時点の情報をもとに構成しています。

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