学長が聞く、学長に聞く―第4回―モチベーションは伝染する(後編)
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学長が聞く、学長に聞く―第4回―モチベーションは伝染する(後編)

菊入 みゆき 特任教授(経済学部 経済学科)×
落合 一泰(学長)

前編では、主に大学での学び、卒業後の社会とモチベーションの関係についてお話しいただきました。後編では、モチベーションが下がった時の心の動きや、好奇心の話、大学1年生やこれから明星大学をめざす人に役立つ、学びのモチベーションの見つけ方について伺いました。いろいろと大変な時期が続きますが、さあ、みんなで顔を上げてモチベーションを上げていきましょう!

モチベーションの低下は次へのステップ?

落合学長 人はよく「モチベーションが下がった」とか言いますよね。モチベーションマネジメントの観点から見ると、それはどういうことなのでしょうか?

菊入特任教授 モチベーションが下がるのは、その人にとって頑張る意義がなくなったからです。意義というのは価値観なので、どんな価値観を優先しているかで意義づけが変わりますし、やる気も上がり下がりします。企業が合併した時のことを例に説明してみましょう。ベテラン社員は、専門家としてやってきたという自負から合併に対してがっかりしていました。しかし、若手社員は、逆にいろいろな人に相談したり、教えを受けられたりするので楽しみだと言っていました。同じできごとを経験しても、受け取り方が違うと、モチベーションの増減も変わります。

落合学長 先ほどうかがった、成長の捉え方の違いに通じますね。

菊入特任教授 はい。そして、若手社員の話を聞いたベテラン社員は「そういう考え方があるのか」と気づいて、やる気を取り戻したそうです。ある人の価値観ではモチベーションが下がるようなことでも、別の人の価値観から見れば、それはモチベーションの上昇をもたらすという好例ですね。

落合学長 たしかにモチベーションが下がるということを否定的に捉えることが多いけれど、次のステップに行くための準備と言うこともできますよね。

菊入特任教授 まさにおっしゃる通りです。会社の件もそうですが、やる気が下がるとどうすれば上がるのかを無意識のうちに探索するようになります。私がよく例えるのが、失恋した時と同じだということです。失恋して悲しい時は、いい曲を聞くと胸に響きますよね。逆にアツアツの時は、そういう感受性も薄くなっているかもしれない。その状態に似ていると思います。

落合学長 面白い例えですね。ところで、私はなにごとも好奇心が大切と思っているのですが、好奇心とモチベーションはどういう関係にあるとお考えですか?

菊入特任教授 内発的なモチベーションの核になるのが、好奇心だと思います。面白いと思ったら、どんどんのめり込んでしまう感じです。

受験生や1年生は必見!モチベーション向上術

落合学長 なるほど。話は変わりますが、これから明星大学への進学を考えている皆さんにとってのモチベーションについて伺いたいと思います。入学後にやる気を高めていくためには、どんな姿勢で臨むといいとお考えですか?

菊入特任教授 まず、「面白がり方」を知ってほしいです。若いうちは、そんなに興味の対象が広がっておらず、自分が面白がる対象は限られています。その点、本学は総合大学なので、いろいろな学部の人の面白がり方を知ることができると思います。
それから、交友関係を限定してしまうよりは、いろいろな人に会って、いろいろなことを考えることが大事だと思います。日々のさまざまな経験を、自分のなかでリフレクション(内省)していくといいですね。たとえば友達同士で「今日の授業どうだった?」「あの授業、苦手」「えー?俺は面白いよ」と話し合った後に「なぜ自分はそう思ったのだろう?」「人はなぜそういうふうに考えるのか」と振り返ってみると、その日の出来事の意味が深まっていきます。単純に、楽しかった、つまらなかった、で終わらせず、そこから学んでいくことが大事ですね。

落合学長 明星大学は、いろいろな人々や分野と交差する「クロッシング」学修を重視しています。そうした経験を積みながら、自分がそこから何を得たのかを振り返ることが大事なのですね。

菊入特任教授 そうです。私は授業で必ずリフレクションを、学生に書いて提出してもらっています。私自身もスケジュール帳に、ポジティブな気持ちになれるように今日できたことを記しています。

落合学長 日々の出来事を振り返りながら、目標達成に向かって内発的なモチベーションをコントロールしていくわけですね?

菊入特任教授 それが必要だと思います。今年度前期のオンライン授業では、クラスをグループ分けして、課題解決にむけた取り組みを何週間も行いました。そのさい、とくに1年生には、目に見える形でフィードバックすることがモチベーション向上のために大切だと思いました。

落合学長 Zoomでは、細かい表情や仕草に込められた感情がわかりにくいですからね。そういう点では、ご著書に書かれている社内運動会のような身体的な交流も必要だとお考えですか?

菊入特任教授 モチベーションの伝染という意味では、人は相手が醸し出す雰囲気などを全体的に見て、やる気の受発信をしています。ですから、身体的な領域はとても重要です。オンライン授業の時は、それが情報として伝わっていないことを教員と学生は意識する必要があると感じています。

落合学長 この3月に、先輩たちの主催で1年生(新2年生)との交流会を学内で催します。それは身体的に集まるという行事です。感染症対策をしっかり講じた上でやるのは当然ですが、直接の交流が学生にとって必要だと思っています。開催の情報を修学支援システムの「勉天」(明星大生のポータルサイト)に掲載したら、普段よりずっと多い約半数の学生が見てくれました。みんなも人と会いたいという、強い気持ちがあると感じました。

菊入特任教授 とてもいい取り組みですね。本学はキャンパスに階段やエスカレーターを使って登って行くわけですが、自ら主体的に上がって行くという行為は、モチベーションの面でみても上がっていくことにつながります。ぜひ1年生には、高いモチベーションを持って来ていただきたいですね。

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