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【創部初のインカレ出場!】明星大学男子バスケットボール部が歩んだ軌跡

約300大学の頂点を決める、全日本大学バスケットボール選手権大会(通称:インカレ)。全国から選抜された32チームが一堂に集う夢の大舞台に、明星大学男子バスケットボール部は創部初となるインカレ出場を果たした。

躍進を遂げる明星大学。しかし、その背景には緊急事態宣言による活動自粛、メンバーの不在など多くの困難があった。
彼らはどうやって、この苦境を乗り越えたのか。
キャプテンの新田嵐さんに当時を振り返ってもらった。

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▼Interviewee Profile
【名前】
新田嵐(Arashi Nitta)
【生年月日】1998年4月14日 生まれ
【出身地】神奈川県
【学部学科】教育学部教育学科保健体育コース(4年生)
【バスケを始めた年齢】小学校2年生
【夢】プロバスケットボール選手としてBリーグで活躍すること

躍進する 明星大学男子バスケットボール部

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僕たち、明星大学男子バスケットボール部は、関東大学バスケットボール連盟の2部リーグに所属し、週に3回の練習を重ねながら「1部リーグ進出・インカレ出場」を目標に頑張ってきました。

11月13日のチャレンジマッチで神奈川大学を破り、悲願のインカレ出場を達成した今、チームの一体感は練習を重ねる度に良くなっています。

振り返ってみると、私が1年生だった頃、明星大学が所属していたのは、インカレ出場権の無い3部リーグ。
当時はインカレ出場という目標を口にするのも憚られるような状況でしたが、それでも先輩たちと一歩ずつ実績を重ね、2部リーグへ昇格した頃からインカレ出場を本気で目指すようになりました。

4年生になり、私にとって大学バスケのラストシーズンとなる今季に懸ける想いは特別なものがありましたが、シーズン直前、予想もしなかった大きな問題に直面しました。

【緊急事態宣言による活動自粛】
「今できること」と向き合った 5ヶ月間の自粛生活

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3月4日、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けて、大学部活動は一切が自粛に。

体育館は使えず、チーム練習もできない日々が5ヶ月間も続きましたが、私自身、こんなに長い期間バスケットボールから離れたことは人生で初めてでした。

4月6日からは大学に登校することもできず、毎週顔を合わせていたチームメンバーもそれぞれ地元に戻り、連絡が疎遠になり始めたことで、これまでチームとして積み上げてきたものが少しずつ薄れていく怖さを感じました。

こんな形で自分の大学バスケは終わってしまうのだろうか。。

焦りと不安が日に日に大きくなっていた頃、前を向くきっかけになったのは、監督から言われた一言。

「大切なのは誰にも分からない先のことじゃなく、『今』自分ができることに全力を注ぐこと。自粛期間が明けた頃、『今』と向き合ってきた者と向き合ってこなかった者の差はコートに立てば一目で分かる」

この一言を受けてから、自宅でのトレーニングやランニング、公園のバスケットゴールでシュート練習をするなど、とにかく今の自分が出来ることは何かを必死に考え、実践する日々を過ごしました。

また、今まで自分たちが当たり前のように練習してきた環境って実は恵まれていたんだなと気づくことができたり、同じように不安を感じている誰かの励みになればと、自粛期間中の自分たちの取り組みを伝えるメッセージ動画を作成したりも。

僕自身、不安を完全に払しょくできたわけではなかったけど、それでも今という瞬間を精一杯頑張ることは、気持ちを切り替えるためにも大切だったと思います。

練習再開! 負けたら引退のオータムカップへ

8月下旬から週に1回の部活動の再開が許可され、目標に向かってチームとして再始動できた時は本当に嬉しかったです。

そこからは、徐々に練習回数も増えていき、9月後半には週に3回の練習が行えるようになりました。

しかし、世間では部活動による感染リスクが不安視されることもあり、メンバーの数人は練習に合流できないまま10月上旬、インカレ出場につながる「オータムカップ」初戦を迎えました。

オータムカップ2020 明星大学 戦績
【1回戦】VS 埼玉工業大学(2部11位)69-65 WIN.
【2回戦】VS 東洋大学(2部3位)105-74 WIN.(ベスト4進出)
【準決勝】VS 法政大学(2部2位)67−88 LOSE.
【3位決定戦】VS 国士舘大学(2部4位)107-86 WIN.2部 3位決定
※12チーム中ベスト4以上がインカレチャレンジマッチへ出場

この大会は例年リーグ戦形式で行われますが、今年は異例のトーナメント戦として開催。インカレ出場を目指す僕たち4年生にとっては、負ければ事実上の引退ということもあり、初戦の埼玉工業大学戦は人生で一番緊張した試合でした。

それでも初戦を何とか勝ち抜き、2戦目以降は調整が遅れていたメンバーたちも合流し、ようやく明星大学バスケ部として100%の形で試合に臨むことができました。

大会の結果はリーグ3位。
創部以来、最高の戦績を残すとともに、ついにインカレ出場を懸けて1部リーグのチームと戦う挑戦権(チャレンジマッチ)を得ることができました。

インカレ出場を懸けたチャレンジマッチ
矛と盾のぶつかり合いは最後まで接戦に

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チャレンジマッチ  VS神奈川大学 試合結果
スコア    1Q 2Q 3Q 4Q   T
明星大学   24  21  17  23   85 WIN.
神奈川大学  21  21  19  16   77 

チャレンジマッチの対戦相手は1部リーグの神奈川大学。

僕たちは攻撃的なプレイが得意なチームですが、一方の神奈川大学は大学バスケ界屈指のディフェンス力を誇るチームとして有名です。

試合開始前、いつものプレーができるように平常心を保とうと集中しましたが、「あと1勝できれば夢のインカレに行ける」という考えが頭を巡り、実際は、興奮や緊張を抑えきれなかったです。

正反対のスタイルがぶつかり合う試合は序盤から接戦に。点を取っては取り返され、点を取られては取り返す、シーソーゲームの展開が最後まで続きました。

試合の流れが変わったのは、最後の数分間。こちらのオフェンスが立て続けに成功したことで均衡を崩すことに成功。神奈川大学の怒涛の猛追を逃げ切り、最後は85対77で勝利し、念願のインカレ出場を勝ち取りました。

ブザーが鳴った瞬間はとにかく嬉しさでいっぱいで、声が枯れるまで叫び、メンバーたちと抱き合いました。

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憧れだったインカレの大舞台 挑戦者として楽しみたい

明星大学はどこの大学よりも練習に真剣に取り組んできたという自負があります。

少ない練習時間でも最大限の効果を得られるように自ら考え、意見を出し合いながら、メンバーそれぞれが「今」できることを全力で取り組んできたことが僕らの強みです。

とはいえ、インカレは全国の猛者たちが集まる大舞台。
自分たちは挑戦者である気持ちを常に忘れず、まずは初めてのインカレをチーム全員で楽しんできます!

皆さん応援よろしくお願いします!

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第72回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)明星大学 DATA
【日時】12月10日(木)午前10時30分~
【場所】大田区総合体育館
【詳細】一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟公式ウェブサイト
【注意】当日は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、無観客での開催となります。

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