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学長が聞く、学長に聞く―第15回―Society 5.0時代に向けて、新生・理工学部スタート!(後編)
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学長が聞く、学長に聞く―第15回―Society 5.0時代に向けて、新生・理工学部スタート!(後編)

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櫻井 達也 准教授(理工学部 総合理工学科 環境科学系)×落合 一泰(学長)

前編では、2023年4月にスタートする新生・理工学部の特長や、学生にとってのメリットを中心にお話いただきました。続く後編では、理工学分野の未来に欠かせない女性の研究者・エンジニアに関すること、本学で2023年度に始まるデータサイエンス教育と理工学の関わりなど、最近のトレンドに沿ったお話をうかがいました。学長への質問では、出前授業で高校生とも交流がある櫻井先生ならではの質問が飛び出しました。

女性の研究者・エンジニアが拓く未来

落合学長 最近気になっていることについて質問させてください。ひとつは、理工学分野における女性の活躍についてです。これからの社会で複雑な課題を解いていくためには、女性の力は欠かせないと思うのですが、櫻井先生はどうお考えですか?
 
櫻井准教授 私も女性研究者・エンジニアの活躍は必要だと感じています。ぜひ多くの人にめざしてほしいと思います。たしかに、理工学には泥臭いイメージがあるのかもしれません。それをいかに払拭できるかも課題だと思っています。実際にはコンピュータ解析や設計などもあって、泥臭い印象とはずいぶん違うのですが。
 
落合学長 私はもう一歩踏み込んだ形で、女性だから発見できる分野もあると思っています。ジェンダーフリーの考え方は大切ですが、ジェンダーをあえて戦略的に強調したほうが良いこともある。それが新しい発想やイノベーションを生み出す推進力になるかもしれないからです。
 
櫻井准教授 私が専門としている環境科学、あるいは食品や化粧品など化学・生命科学の分野では、多くの女性が活躍しています。身近な生活の中にある問題に目を向け、その解決を仕事にしようという女性が少なくないということですね。ですから大学としては、理工学分野との接点を女性に見つけ興味を持ってもらうために、勉強する内容ややり方、その面白さを伝えていかねばと思っています。これはジェンダーを問わず、すべての人に対して言えることですけどね。
 
落合学長 理工学分野への入口はいくつあってもいいわけですからね。

AIやデータサイエンスと理工学のつながり

落合学長 Society 5.0時代には、人間の仕事のある部分はAI(人工知能)にまかせるというように、今までとは大きく異なる場面もでてくると思います。櫻井先生は未来をどう予測されていますか?
 
櫻井准教授 前編で、新生・理工学部の特長のひとつに「イノベイティブな思考で価値を創造する課題解決型授業」というものを挙げました。これからは、“考えること”や“価値を創造すること”が人間の役割になっていくと思います。単純なマニュアル作業の技能だけならロボットに任せておけばいい。いかにイノベイティブな思考ができて、他者とコミュニケーションをとりながら協働できるか。そうした人間力が求められる時代になるのではないでしょうか。
 
落合学長 価値を生む、課題を解決する、そのために考えるというのは、人間の最も人間らしいところですよね。未来というとデジタル的な進化だけを想像しがちですが、10年、20年後の理工学分野でも人間的なところを抜きにしては学問は成り立たないと、櫻井先生はお考えなのですね。
 ところで、新生・理工学部のお話から少しそれるかもしれませんが、本学では、時を同じくして2023年4月に「データサイエンス学環」が新設されます。理工学部も連係学部として参画しますが、どういう関わり方をするのですか?
 
櫻井准教授 データサイエンス学環では、まずデータサイエンスの概論や数学の基礎を理解した上で、応用科目を学びます。その時に私たち理工学部の教員は、理工学分野でデータサイエンスがどう活用されるのかを、具体的な事例を交えながら教えていきます。
 
落合学長 応用面なんですね。たとえば?
 
櫻井准教授 理工学部には、社会人経験が豊富な教員が多くいます。これは、応用を教える上でかなりの強みです。実体験を交えた授業で、学生さんたちは、いま学んでいることが何に役立ち、どう使えるのかをしっかり意識できるようになります。日ごろ私は、気象や大気汚染について研究しています。コンピュータ上でのシミュレーションや、環境省の依頼を受けて瀬戸内海の船舶から出る排ガスの影響などを実際に現地に行って観測しているんです。そこでの経験を話しながら、理論と実践の結びつきをわかりやすく伝えたいと考えています。理工学部はデータサイエンス学環と連携していますので、理工学部の学生もデータサイエンスを学べます。学生さんには意欲的に自分の幅を広げてほしいですね。

櫻井先生のプロジェクト。
地表から成層圏に至るまでの大気の状況を、さまざまな地域で調べています。

高校と大学の学びのつながりをスムーズに

落合学長 では、そろそろ櫻井先生から私への質問に移りましょうか。
 
櫻井准教授 新生・理工学部では、社会のさまざまな課題をテーマにする課題解決型科目を多く取り入れています。その中に、高校や企業・自治体など学外と連携するプロジェクトを盛り込もうと準備しています。私自身も府中の明星高校で一緒に授業をやらせてもらっています。こうした高校と大学、 社会と大学のつながりについて、落合学長はどのような考えをお持ちですか?

明星高校で授業を進める櫻井先生

落合学長 まず高校と大学のつながりからお話しましょう。これには2つの面があります。ひとつは、多くの高校生に魅力ある明星大学に入学してもらいたいという側面です。もうひとつは、中高時代に芽生えた好奇心を、高校から大学へといかにスムーズにつなげていくかという側面です。ここでは後者についてお話しします。私は、大学1年生の入門的な授業を高校生にも受けてもらえるようにできないか、考えているところです。「あなたの可能性を自由に探ってみてください」と、学びの興味の扉を広く高校生に開きたいんです。
 
大学と社会のつながりも同じです。世の中にどんな仕事があるのか、実は大学生はあまり良く知らない。そこで、さまざまな分野で活躍している卒業生たちにお願いし、実社会での自分の職業経験やそこで得た知識について学生に語ってもらう学びの場を作れないかと思っています。大学は、高大連携と大社連携のいずれにもかかわる結節点です。次世代に幸福な人生を歩んでもらうのが教育機関としての大学の使命です。ならば、卒業生の実社会経験を教育活動に組み入れていったほうがいいと思うんです。
 
櫻井准教授 大学で学んでいることが実際の社会とこうつながるということが分かれば、学生さんのモチベーションもぐっと上がりますね。
 
落合学長 そうです。もともと興味がなかったり、むしろ嫌いだと思っていたりした職業や業界について、リアルな話を聞くことで新しい気づきが生まれます。なかには、先輩の話がきっかけになって理解が進み、避けていた道が面白くなって、その道に進むことに決めた!なんて学生もいましたからね。学生さんたちにいろいろな可能性を提供したいものです。
 
櫻井准教授 今回の理工学部のカリキュラム改革にも、まさに同じ思いで取り組みました。プロジェクトに関わった教職員は、「学修者本位」で学生さんたちが主体的に学べる環境をつくりたいと強く願っています。来年4月から動き出して、新たな課題も出てくるでしょうから、少しずつ改善しながらよりよい学びを提供できるように頑張りたいです。
 
落合学長 ぜひお願いします。明星大学の教育をさらに魅力的にするために私も一緒に頑張ります!今日はありがとうございました。

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